●投資信託Q&A

投資信託の仕組み

 我が国の投資信託は、契約型が一般的であり、委託者(投資信託会社)と受託者(信託銀行)の間で結ばれる信託契約が基礎となっています。

 委託者は、信託契約に基づいて受益証券を発行し、その受益証券は証券会社等の販売会社を通じて受益者(投資家)に販売されます。(委託者によっては、直接、受益者に販売することもあります。)

 

信託契約

 信託契約とは、投資信託の法的根拠となる契約のことをいい、投資信託会社(委託者)と信託銀行(受託者)の二者間で、投資信託の設定日に締結されます。

 したがって、投資信託は信託契約の締結によって始めて運用を開始することができます。

 

信託約款

 信託約款とは、信託契約の具体的内容を規定したもののことをいい、実質的には信託約款=信託契約であると考えても構いません。

 信託契約を締結するためには、信託約款について、監督官庁への事前の届出が必要とされています。

 また、届出をした信託約款(=信託契約)を変更する場合にも、再度、監督官庁への事前の届出が必要とされています。

 

信託約款(=信託契約)の主な内容は、次のとおりです。

  1. 委託者および受託者

  2. 受益者に関する事項

  3. 委託者および受託者としての業務に関する事項

  4. 信託の元本の額に関する事項

  5. 受益証券に関する事項

  6. 信託の元本および収益の管理および費用に関する事項

  7. 信託の元本の償還および収益の分配に関する事項

  8. 信託契約期間、その延長および信託契約期間中の解約に関する事項

  9. 信託の計算期間に関する事項

  10. 受託者および委託者の受ける信託報酬その他の手数料の計算方法ならびにその支払の方法および時期に関する事項

  11. 信託約款の変更に関する事項

  12. その他監督官庁が公益または投資者保護のため必要かつ適当であると認めて総理府令・大蔵省令で定める事項

委託者の営業の全部または一部の譲渡に関する事項

受託者の辞任および新受託者の選任に関する事項

追加型投資信託における信託の元本の追加に関する事項

信託契約の一部解約に関する事項

受益者

 受益者とは、投資信託の利益を受ける権利(受益権)を有する者のことをいいます。

 投資信託の受益権は均等に分割されて受益証券に表示されるため、投資家は受益証券を購入することによって受益者の地位を得ることができます。

 投資信託の受益者は、その保有口数に応じて受益者の権利を均等に有します。

受益者の権利

  1. 収益分配金請求権

  2. 償還金請求権

  3. 受益証券の買取請求権および一部解約請求権

  4. 委託会社の信託財産関係帳簿書類の閲覧または写し請求権

 

受益証券

 受益証券とは、均等に分割された投資信託の受益権を表示する証券で、証券取引法上の有価証券です。

 受益証券は、信託約款に基づき、受託者(受託銀行)が認証したうえで、委託者(投信会社)が発行します。

 受益証券には、本券のほかに収益分配金交付票(クーポン券)が付されます。受益者はその収益分配金交付票と引換えに収益分配金を請求・受領することができます。

 受益証券は無記名式が原則ですが、受益者の請求に基づき記名式に変更することができます。また、受益者が受益権を行使する場合あるいは受益権を他人に譲渡する場合には、記名式の場合を除き、受益証券をもって行わなければなりません。

 無記名式の受益証券は流通・転売が可能な有価証券であるので、受益証券の所有者が受益者とみなされることから、受益者は受益証券を安全に保管する必要があります。このため、個人投資家の場合には、販売会社等の「保護預り」を利用して受益証券を預けることが一般的です。

 

収益分配金

 投資信託は、信託期間内の一定期間を計算期間として区切ることで、その計算期間内の投資信託の収益を計算期間の終了時(決算時)に受益者に分配することが一般的です。

 収益分配金とは、計算期間中の投資信託の運用収益について、計算期末に受益権口数に応じて受益者に支払うものです。

 収益分配金は、分配対象額から収益分配方針に基づいて、委託会社が決定します。分配対象額は、基本的には、配当等収益(受取配当・利息、売買損益、評価損益)等から費用(信託報酬、信託事務費用、監査費用等)を控除した額です。収益分配方針は投資信託によって異なるので、仮に分配対象額が同じであっても、投資信託によって収益分配金は異なります。

 投資信託の収益は日々の基準価額に反映されていますので、収益分配金が支払われた後の基準価額はその分だけ下がります。したがって、基本的には分配するかしないかによって受益者の最終的な投資収益率が変化するものではありません。(ただし、厳密には収益分配金として支払われなければ、その分だけ投資信託に再投資されたことになり、その分だけ異なります。)

 収益分配金は、通常、決算日(計算期末)を含めて5営業日目から、受益証券の収益分配金交付票と引換えに販売会社で受益者に支払われます。(受益証券について販売会社の「保護預り」を利用している場合には、引換えは不要となります。ただし、販売会社が保護預りに関して「預り証」を発行している場合には、預り証と引換えとなります。)

 

償還金

 償還金とは、投資信託の信託終了日に、終了時の信託財産(純資産総額)を受益権口数に応じて分割して、すべて受益者に支払うものです。

 償還金は、通常、信託終了日を含めて5営業日目から、受益証券と引換えに販売会社で受益者に支払われます。(受益証券について販売会社の「保護預り」を利用している場合には、引換えは不要となります。)

 

解約金

 解約金とは、受益者が信託期間の途中で受益証券を換金する場合に、受益者に支払われるもので、その際の換金は、受益者が投資信託会社に対する信託契約の一部を解約する形で行われます。

 解約金は、通常、解約を請求した日を含めて4営業日目から、受益証券と引換えに販売会社で受益者に支払われます。(受益証券について販売会社の「保護預り」を利用している場合には、引換えは不要となります。)